死体写真2
☆☆☆

1度回復した天候だったけれど、歩くにつれてまた雨脚は激しくなってきていた。


今では傘をさせばひっくり返ってしまいそうな風雨に変わっていて、歩みは遅くなるばかりだ。


「足元気をつけて」


大河に右腕を支えてもらいながら、倒れた木を踏み越えて歩く。


木々の隙間から見えていた太陽は分厚い雲に隠れてしまい、持ってきた懐中電灯がなければほぼ暗闇に近い状態になってしまっている。


「今何時くらいだ?」


先を歩く哲也が毅へ聞く。


「昼の2時だ」


「このままじゃ夜中になるな」


すでに暗くなっているのに夜になればどれほどの闇に包まれることだろう。


更にここは山の中。


野生動物が襲ってこないとも限らないのだ。


死体写真とは別の恐怖が湧き上がってきて鳥肌が立った。


「今日は山の中で野宿する覚悟がいるかもな」
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