死体写真2
大河が苦笑いを浮かべて言う。


冗談ではなく、本当にそうなってしまうかもしれない。


それからしばらく下山したとき、雷の音が周囲を轟かせた。


その音の大きさに結たちは立ち止まり、身をかがめる。


「今のは近いぞ」


哲也がそう言って振り向いたとき、空に白い煙がもうもうと舞い上がっていくのを見た。


「施設に落ちたんじゃねぇか?」


方向的には間違いなさそうだ。


振り向いた結の視界にも立ち上がる白い煙が見えた。


もしも本当に施設に落雷していたとしらた、もう戻れないということにもなる。


白い煙の中には徐々に黒い煙が混ざりはじめ、結たちのところまで異臭を運んできた。


なにか大きなものに落ちて燃えていることは確かだ。


「もう少し歩こう」


大河に促されて、4人はまた下山を再開したのだった。
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