死体写真2
☆☆☆

それから10分間ほど下山したあたりで小さな山小屋を見つけた4人はひとまず避難することに決めた。


今日はここで夜を明かすことになりそうだ。


想像以上に足元が悪くてなかなか先へ進むことができず、もどかしい気持ちになる。


小屋の中で時間を確認すると、すでに夜の6時を回っていた。


こうしている間にも大河のタイムリミットはどんどん少なくなっているのだと思うと、胸が苦しくなる。


どうして大河なのだろうと思わずにはいられない。


「少し眠って、明日にそなえよう」


持ってきたパンなどで食事を済ませて、それぞれが横になると小屋の中はいっぱいになる。


それでも結の隣には大河がいてくれるから、安心感があった。


「おやすみ結」


「おやすみ大河」


そうささやきあい、こっそり手をつないで目を閉じたのだった。


山歩きのせいで体中が痛かったけれど疲労感が結を夢の中へと運んでいく。


夢の中で結は学校の教室にいた。
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