死体写真2
制服を着ていて、カバンを右手に持っている。


時計を確認すればホームルームが終わった時間帯で、誰かを待っているようだった。


しばらくして教室に現れたのは裕之だった。


裕之は片手をあげて「待った?」と、駆け寄ってくる。


結は笑顔で「全然」と左右に首をふり、ふたりで肩を並べて歩き出した。


「ついに俺たちも受験生だな」


「本当だね。絶対に同じ大学行こうね」


夢を見ながら結は笑っていた。


高校3年生になったふたりは仲睦まじく付き合いを続けているのだ。


「あ、ここのお店のパフェうまいんだってさ」


ファミレスの前に差し掛かった時裕之が言う。


「行ってみようよ!」


結は裕之の手を引いてファミレスの中へと入っていく。


一緒にいる理由なんていくらでもある。


帰り道に少し遠回りをしてもいいし、今日みたいに美味しいものを食べてもいい。


こういう日常をずっとずっと続けられると信じていた。


だけど結は途中で気がついてしまった。
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