死体写真2
そう思って毅が周囲を確認してみると、不自然に草木が積もっていない箇所を見つけた。


近づいてみるとそれは筋道のように崖下へと続いている。


嫌な予感が一瞬にして毅を飲み込む。


そっと覗き込むようにして崖下を確認してみると、そこに哲也の姿があったのだ。


「哲也!!」


咄嗟に声を張り上げる。


哲也は落下した衝撃のためか気絶していて、目を閉じている。


顔色は悪く、頭部から血が流れているのがわかった。


「嘘でしょ……」


結が息を飲んで後ずさりをした。


ここまで来たのに、こんなことになるなんて!


「哲也しっかりしろ!」


どれだけ毅が声をかけても哲也は目を開けない。


容赦なく降り続く雨がどんどん血を溢れさせているように見える。


哲也の手足はあらぬ方向へ曲がっていて、まるでもっと高い場所から落下したようにも見えた。


「哲也!!」


毅の声は風雨にかき消され、消えていったのだった。
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