死体写真2
突然立ち止まった毅に結は驚いて足を止める。


「おかしいって、なにが?」


「どうして頭から血がでてたんだ?」


「どういう意味?」


崖から落下していたのだから、それくらいの怪我をしていてもおかしくないと結は考えていた。


「崖下に岩なんてなかっただろ? なににぶつかったんだ?」


そう言われて思い返してみれば確かに大きな岩はなかったかもしれない。


だけど、草木にかくれていた可能性はある。


「それに、手足の方向もおかしかった。何十メートルも上から、コンクリートに叩きつけられたわけでもないのに」


「つまり、なにが言いたいの?」


結の問いかけに毅はゆっくりと視線を向けた。


「……大河だ」


その言葉に結の心臓がドクンッと跳ねる。


嫌な予感が胸にうずまき、体が熱を持つのを感じる。
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