死体写真2
ガサガサと草木を掻き分ける音と足音が聞こえてきてハッと息を飲んだ。


音がした後方へ視線をむけると、そこには大河の姿があったのだ。


結は呼吸をすることも忘れて大河を見つめる。


これは夢?


幻覚?


私は気絶してしまったんだろうか?


考えている間に大河が駆け寄ってきて、大きな手で結の肩を掴んでいた。


この感触は夢じゃない!


「よかった! 合流できた!」


大河が嬉しそうに微笑んで結の体を抱きしめる。


「な……んで?」


大河はひとりで死ぬことを選んだはずだ。


「戻ってくるつもりはなかったんだ。だけど、毅の怒鳴り声が聞こえてきて、居ても立ってもいられなくて」


それで、つい戻ってきてしまったみたいだ。


「時間はもう少しありそうだ。一緒に下山しよう」


大河はしっかりと結の手を握りしめたのだった。
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