死体写真2
倒れている木にそって山の中へ入った時、うずくまっている人影に気がついて結は悲鳴を上げそうになった。


「毅!?」


木により掛かるようにして座り込んでいたのは毅だったのだ。


毅の足元にはスマホが転がっている。


結の声に気がついた毅がゆるりと顔を上げる。


その顔はすっかり生気を失っていて、先程までの強さは微塵にも感じられない。


「やっと追いついたか」


そう呟く声にも破棄がない。


どうしたのかと毅の前にしゃがみこんだ結は、スマホ画面に写真が表示されている事に気がついた。


「死体写真!」


ハッと息を飲み、同時に叫ぶ。


画面上には血まみれになって倒れている毅の写真が表示されているのだ。


これが届いたことですべての気力をなくしてしまい、座り込んでいたのだろう。


「俺に届くのは2度目だ」
< 235 / 253 >

この作品をシェア

pagetop