死体写真2
☆☆☆

「こんなところで孤立とか、シャレにならないんだけど」


3人部屋へ戻ってきたところで明日香が不機嫌そうな声を漏らした。


思っていることはみんな同じみたいだ。


「この天気がいつまで続くかだよね。食べ物はしっかりあるだろうけど……」


結の不安は電気や水道までが止まってしまうことだった。


いくら食料があっても、それらを調理することができなければ状況は更に悪化していく。


「もう、ほんとに嫌になる」


明日香はそう言いながら由香里へ視線を向けた。


由香里はさっきから自分の布団を丁寧に畳んでいて、会話には参加してこない。


クラス内でも孤立している由香里が、いきなり林間学校でクラスメートと同じ部屋になるのは相当しんどいはずだ。


結も明日香もそのことには触れてこないでいたけれど、由香里を見ていれば嫌でもわかることだった。


「勉強が始まるまで豊のところに行こうかな」

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