死体写真2
☆☆☆

それから朝7時になるまで部屋で待機していた結だけれど、やることはなかった。


外は大荒れだし、部屋にはテレビもなにも置かれていない。


一瞬暇つぶしに持ってきたトランプの存在を思い出したけれど、壁際に座ってじっと俯いている由香里が相手をしてくれるとは思えなかった。


自分も大河に会いに行こうか。


ふとそんな思いがよぎって慌てて左右に首を振る。


大河は優しいけれど、別に付き合っているわけじゃない。


こんな時に部屋に行ってもきっと迷惑なだけだ。


そうなると堂々と豊に会いに行くことができる明日香が羨ましく感じられる。


不安なときに恋人がいれば、きっといくらか心が安らぐだろう。


そう考えたとき、由香里が身じろぎをしたのが目の端で見えた。


さすがに沈黙が長いし、なにか話しかけてみようか。


視線を由香里へ向けると、座っていることに疲れたのか畳の上に寝転がっている。
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