死体写真2
施設の裏にはすぐに山が呼びえ立っているため、いつ土砂崩れが起こっても不思議ではない。


結が窓から外の様子を眺めているとノックの音が聞こえてきた。


とっさに身構えるようにしてドアを見つめる。


「誰?」


「俺だけど」


その声に結の体温が少しだけ上昇する。


今の声は大河だ。


結は立ち上がり、ドアを開ける。


そこには心配そうな表情の大河が立っていた。


「体調でも悪い? 大丈夫?」


全然勉強に参加していない結を心配して様子を見に来てくれたみたいだ。


結の胸に嬉しさが広がっていく。
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