死体写真2
大河が布団を敷いてくれようとするのを、結は止めた。


それよりも今は話を聞いて欲しい。


誰にも信用されないかもしれないけれど、このままじゃ今夜死人が出てしまうのだから。


結は勇気を出して1年前の出来事について大河へ説明し始めた。


死体写真が送られてきた人は24時間以内に同じ死に方をすること。


回避方法についてはさすがに喉の奥に言葉がつっかえて出てこなかった。


写真と同じ死体を作るなんて、言えない。


「そうか、そんなことがあったのか」


大河は途中で話の腰を折ることもなく最後まで真剣に結に話しに耳を傾けてくれていた。


結は話ながら今までの辛い経験を思い出して、知らない間に涙をこぼしていた。


「だから、先生や運転手さんもきっと……!」


ボロボロと涙をながしながら大河の腕にすがりつく。


どうにかして回避しないといけないが、どうすればいいかわからない。


この中で誰かを殺すなんて、できっこない!


「わかった。その話を信じるよ」
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