死体写真2
「え……」


大河の優しい声に思わず目を見開いてしまう。


涙はピタリと止まった。


「今までひとりで抱え込んで辛かったろう?」


大河は結の頭を優しく撫でる。


そのぬくもりに裕之のぬくもりを思い出してしまい、また涙がにじむ。


結は涙を手の甲で拭うと大きく頷いた。


「私の話を信じてくれるの?」


「もちろん。結がこんな嘘をつく理由がないだろ?」


結はうんうんと何度も頷いた。


泣きながら荒唐無稽な話をする自分を、こんなにもすんなり受け入れてくれる大河に、気持ちが暖かくなっていく。


「でも、この件に関しては俺たちふたりだけじゃどうにもならなそうだな」


大河はそう言いながら立ち上がる。



「どうするの?」


「とにかく、みんなに説明する。意見を出し合えばなにかいい解決策が出るかもしれないから」
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