死体写真2
☆☆☆

大河に促されるようにして結は教室へと向かっていた。


少し目元が赤くなった結を見て明日香がなにか言いたそうな表情を浮かべたけれど、結局なにも言わなかった。


「ちょっと、みんなに聞いてほしい話があるんだ」


教卓の前に立って大河が全員に声をかける。


教科書やノートを出しているものの、雑談ばかりしていたらしい生徒たちはすぐにこちらへ視線を向けてくれた。


「結から大切な話がある」


大河に背中を押されて結は小さく頷いた。


みんなの前で死体写真のことを説明するのは勇気がいったけれど、隣に大河がいてくれるから大丈夫だ。


「みんな、昨日先生のスマホに変な写真が送られてきていることは知っているよね?」


結の言葉にみんなが頷く。


「あ~、運転手さんにも送られてきたやつね?」
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