死体写真2
「そうなんだ」


大河の説明に結は苦笑いを浮かべる。


将来性のある成績のいい生徒たちが学校の教室を使って、自分たちは島流しにあったというわけだ。


建物内は予想に反して涼しかった。


1階は学校と同じような教室、体育館、料理室などがあり、2階が宿泊施設になっている。


「それにしても結が赤点とか珍しいよな? やっぱり、あの事件のせい?」


大河に質問されて結は一瞬黙り込んでしまった。


2年生のある頃、結の周りでは不可解な事件が多発した。


自分が死んでいる様子が写された写真がスマホに送られてきて、24時間以内にその写真と同じ死に方をするのだ。


死にたくなければ、写真と同じ死体を作り、送られてきたアドレスに添付して返信すること。


その事件がきっかけで、結は恋人を失っていた。


この荒唐無稽な事件の詳細はほとんどの生徒が知らないままになっているが、同じ学校だった恋人や友人が死んでいってしまったことはここにいる誰もが知っていることだった。


それ以来、結の成績はあまりよくない。


頑張って勉強しているつもりでも、つい上の空になってあの恐ろしい出来事を思い出してしまうのだ。
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