死体写真2
回避方法
教室から逃げ出したものの施設内にしか行き場のない結はまた部屋に戻ってきていた。


うずくまって自分の体を抱きしめて震えている結を追いかけてきたのは、やっぱり大河だ。


「今日にどうした? 大丈夫?」


震えている結の手を優しく包み込んで尋ねる。


けれど結はすぐに返事をすることができなかった。


前回の死体写真の全貌を知ってしまったら、きっと大河も自分から遠ざかってしまう。


そうなると結はひとりぼっちになってしまうだろう。


黙り込んでいる結に大河は小さくため息を吐き出す。


「もしかして、回避方法があまりにも残酷だとか?」


そう質問されて結は一瞬大きく目を見開いた。


それからうつむき、畳をジッと見つめる。
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