死体写真2
☆☆☆

結の話を最後まで聞き終えた大河は大きく息を吐き出した。


まるでずっと呼吸を止めていたかのように、深いため息。


「他の人間を殺すのか……」


部屋の空気は重たく淀んで、ずっしりと体にのしかかってくるようだった。


「さすがに、それは他の連中には言えないな」


結はコクリと頷く。


もしもこの回避方法が知られてしまえば、この施設内での秩序は完全に崩壊してしまうだろう。


死体写真が、このふたつだけで終わるとは限らないのだから。


「でも、それで生き残ったってことは……」


大河はそこまで呟くと結へ視線を向けた。


その目は大きく見開かれていて結はとっさに左右に強く首を振っていた。


「ち、違うの! 私は誰かを殺したりなんてしてない!」
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