死体写真2
☆☆☆

色々なことがありながらもとにかく晩御飯が完成したのもも、結は目の前で湯気を上げているシチューを食べる気にはなれなかった。


もしかしたら後1時間で先生と運転手さんが死んでしまうかもしれないんだ。


そんな状況で食事なんてできるわけがなかった。


他の生徒たちは結の言葉を信じていないからか、普通に食事を楽しんでいる。


その姿を見て結は下唇を噛み締めた。


せっかく勇気を出してみんなの前で死体写真について説明したのに、そんなものやっぱり無駄だったんだ。


そう思うと悔しさが滲んでくる。


「少しは食べないと」


ジッとテーブルを睨みつけていた結に大河が声をかけてきた。


「食欲がないの」


「わかるよ。だけどまだ誰かが死んだわけじゃないんだから」
< 51 / 253 >

この作品をシェア

pagetop