死体写真2
死亡する
結が部屋に戻って30分ほどしたとき、ノック音が聞こえてきて顔をあげた。


「電気もつけないで、なにしてるの?」


入ってきたのは明日香だ。


明日香は同じ部屋だからノックする必要なんてないのに、結に配慮してくれたんだろう。


結は慌てて流れてきていた涙をぬぐうと「なんでもない」と答える。


しかし涙声だけは隠せなかった。


「これから教室で先生の話があるらしいんだけど、来れる?」


「みんなはもう行ってるんでしょう? それなら私も行く」


泣いたと言っても少しだけだ。


きっとバレることはないだろう。


「ありがとう明日香。心配かけてごめんね」


結は早口にそう言って、明日香とふたりで教室へ向かったのだった。
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