死体写真2
首をかしげてロープの行く先を見守っている。


みんなマジックだと思っているようだけれど、結だけは真っ先に感づいた。


先生の死体写真は首吊ではなかったか?


そして時刻はそろそろ19時になろうとしている。


「先生逃げて!」


結は咄嗟に叫んでいた。


しかし先生はひとりでにうごめくロープに視線を貼り付けたまま動こうとしない。


その目は大きく見開かれていて、口はポカンと開いていている。


次の瞬間ロープが先生の首に巻き付いていた。


シュルシュルと音もなく巻き付き、きつく食い込んでいく。


「お、おい。なんだよこれ」


哲也が混乱した声を出しながらも、まだマジックかなにかだと考えているのだろう。


逃げ出したり、悲鳴をあげる生徒はひとりもいなかった。


結は弾かれたように先生にかけよってロープを引き離そうとする。


しかし、強い力で先生の首を締め続けているロープはびくともしない。


やがて先生の顔は真っ赤にそまり、苦しげに目をむきはじめた。


「誰か、ライター持ってないか!?」
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