死体写真2
目の前の光景に唖然としながらも大河はそう叫んだ。


ロープは力づくではどうにもできそうにない。


それなら火をつけて燃やしてしまえばいいのだ。


「あるぞ!」


ライターという単語にすぐに反応したのは毅だった。


毅はズボンのポケットに隠し持っていたライターを大河へ投げ渡した。


それをキャッチして先生の元へ走る。


先生の目はすでに白目を剥いていて、体は微かに痙攣している。


近づくと床が汚れていて、糞尿をたれなしていることがわかった。


大河はすぐにライターに火をつけてロープに近づける。


しかし、ロープは一向に燃え始めない。


「なんで燃えないんだよ!」


苛立たしい声を上げながら、額から汗が吹き出す。


このままじゃ本当に先生が死んでしまう!


危機感から手元が狂ってライターを落としてしまう。


慌てて拾い上げて再びロープへ火を近づけたその時だった。
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