死体写真2
「先生が死んだんだ! 助けてくれよ!」


言いながら毅が布団をめくった、その瞬間。


視界の半分が赤く染まった。


運転手さんが横になっている布団は赤く染まり、鉄の匂いがツンッと鼻腔を刺激したのだ。


なにが起こっているのか一瞬理解できなかった。


横になった運転手さんから呼吸音は聞こえてきていなくて、布団は血まみれで、そして……布団の端の方に手首が落ちていたのだ。


「うっ!」


切断された手首を見つけた瞬間結は手で口を覆った。


なにも食べていないのに吐き気がこみ上げてくる。


運転手さんの体がゴロンッと転がったかと思うと、その両手がなくなっていることに気がついた。


「なんだよこれぇ! どうなってんだよ!!」


悲鳴を上げながら哲也は飛び退る。


大河も唖然として言葉もでない様子だ。


結は必死に吐き気をこらえながら、運転手さんに送られてきていた写真を思い出していた。


あの写真と、今の死に様は全く同じだった。
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