死体写真2
☆☆☆

教室に戻るとみんなは廊下に出てきていた。


さすがに先生の死体がある中で待っていることはできなかったみたいだ。


明日香は泣きじゃくり、美幸と静はガタガタと震えて身を寄せ合っている。


運転手さんもあの写真のように死んでいたことを説明すると、全員の空気が重たくなった。


ほんの数分でふたりの大人が死んでしまった事実が重たくのしかかってくる。


張り詰めた空気の中で大河だ「とにかく、ここから出ないと」と呟く。


「出るって、どうやってだよ?」


哲也が大河を睨みつけて聞く。


外はまだ嵐が続いているし、今はもう暗くなっている。


今から山を下るなんて無理な話だった。


「明日の朝になってからだ。バスが停まっている広場まででることができれば、誰かに連絡が取れるかもしれない」


バスにはバス会社に通じる無線があるはずだ。


大河の言葉に結は頷いた。
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