死体写真2
☆☆☆

結と大河がシートを持って戻ってきたとき、合羽を来た明日香と豊の姿があった。


「明日香!?」


結は慌ててふたりに駆け寄る。


大河は毅と手分けをして窓を塞ぎ始めた。


明日香は結を見ると青い顔をして左右に首を振った。


その反応に結の心に絶望感が広がっていく。


「門の前に倒れている木のせいで、施設の敷地内から出ることもできなかったの」


「フェンスは?」


フェンスをよじ登ればどうにかなるんじゃないかと、結は密かに考えていたのだ。


しかし、それも明日香と豊はやってみたと言う。


「野生動物が入り込まないように、フェンスの高さは5メートルくらいあったの。一番上は有刺鉄線になってて、とても向こう側には行けなかった」


「そんな……」


5メートルの高さから落ちればひとたまりもない。
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