死体写真2
どこか電波がいい場所を探してみないといけない。


そう考えて、自分が普段からスマホにとらわれていることを理解して苦笑する。


1年前にあんな悲惨なことがあったのに、それでも手放せないなんて。


「明日新曲発表なのにニュースも見れないじゃん!」


美幸は好きな韓国スターの新曲をいち早く聞きたくて楽しみにしていたのだと言う。


あちこちからブーイングが起こり、先生は対応しかねている。


「まぁ、たまにはいいんじゃないか? スマホが使えないのも新鮮だし」


大河がみんなに聞こえるように大きな声でそう言った。


一瞬美幸は不機嫌そうな表情を浮かべたけれど、すぐにそっぽを向いてしまう。


「ま、まぁたまにはいいよね!」


結は慌てて大河に便乗して、みんなの雰囲気が明るくなるように努めたのだった。
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