死体写真2
それでも必死に回避方法を隠そうとするのは、クラスメートを守るためだ。


結の声はガタガタと震えていてそれでも本当のことを言えずにいる。


そんな姿に大河の胸がチクリと傷んだ。


このままじゃこのふたりはなにをするかわからない。


下手をすれば結は殺されてしまう!


大河はグッと握りこぶしを作って「俺が知ってる!」と、叫んだ。


一瞬周囲は静まり返り、全員の視線が大河へ向かった。


毅は結の髪の毛を離して大河へ向き直る。


その目はほんの短時間で充血し、ギョロリと見開かれている。


次は自分が死ぬかもしれないという底知れない恐怖が毅の人相まで変化させていた。


「なんだと?」


そう呟いたのは哲也だ。


哲也は包丁を握り直して大河を見つめる。


「俺が……知ってるんだ」
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