死体写真2
大河は必死に声が震えないように気をつけた。


哲也が少しでも手元の狂わせれば、自分の包丁が突き刺さるかもしれない。


そんな恐怖は考えないようにした。


「なんでお前が知ってるんだよ」


哲也からの質問に一瞬結へ視線を向ける。


結は座り込んだまま震えていて、腰がぬけてしまったのかもしれない。


「結から聞いた」


そう答えると哲也はふんっと鼻を鳴らして笑った。


だけどここで結と大河の関係をどうこう言うつもりはなさそうだ。


「それで? 回避方法は?」


毅の言葉に大河はゴクリとつばを飲み込む。


ここでそれっぽい嘘をつくこともできる。


だけど、そんなことをすれば毅が死んだときに嘘だったとバレて、哲也は今度こそ自分や結を殺してしまうかもしれない。


ここは、本当のことを言った方が良さそうだ。
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