死体写真2
由香里はそれが自分の前向きな性格のせいだとは感じていなかった。


ただ、まだクラスに馴染めていないだけ。


もう少し時間がたてば、きっと仲のいい友達ができる。


「あいつ、まだそんな風に考えててバカじゃないの?」


一ヶ月も経過すると由香里のプラス思考はうとましさを通り越して、悪意を生むようになってしまった。


そして、事件が起きた。


それは2年生の修学旅行前のことだった。


E組で修学旅行費が集められ、それは女子生徒である生徒会長が管理して先生へ提出するものだった。


合計で200万円ほどに上る大金だ。


生徒会長はそれを自分のカバンの中に入れて、職員室へと持っていく予定にしていた。


茶封筒をそのまま持って移動したのでは、危ないからだ。


もし落としてしまったら200万円を紛失したことになってしまう。
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