殺人薬


花はふーっと一息つくとシャーペンを持ち、板書にとりかかった。

「おい、花、どーしたんだよ、徹夜明けか〜?」

少しニヤニヤしながら隣の席である桐谷裕斗が声をかけてきた。

「違うもん。なんか、今日はぼーっとしちゃうだけ」

花はうるさいと言わんばかりの態度で返した。

しかし、それとは裏腹に照れもあったのだ。

実は花は裕斗に恋心を抱いていた。
< 4 / 149 >

この作品をシェア

pagetop