ホワイトデーの恋人
エピローグ
フランスへのチーム移籍が決まった。
俺にとっては本当にありがたい事だし、とっても幸せな事だ。
でも一つだけ心残りがある。
香織。
そう、俺は香織という名の女性を愛している。
偶然バーで出会った人に一目惚れをしてしまったとか、少女漫画でしか見たことがない。
けど本当に有り得ることなんだ。
出発の日。
見送りに来た香織の目には光の粒が浮かんでいた。
本当なら一緒にフランスへ行きたい。
けどそれは出来なかった。
彼女は俺が見えなくなるまで、ずっと手を振ってくれていた。