バニラな恋に恋焦がれて
桐嶋くんの彼女になりました
○学校・裏庭(放課後)
怜「俺と付き合って」
冗談かと思った。
(まさか桐嶋くんの口からそんな言葉が出てくるなんて)
美郷「えっと、その……」
怜「こういうの面倒くさいじゃん。花咲さんも誰とも付き合う気無さそうだし、付き合ってるフリした方が楽だと思わない?」
美郷「付き合ってる……フリ?」
怜は腕組みをして言う。
美郷はただただ唖然としていた。
美郷(本当に付き合うんじゃなくて、フリをするってこと?)
怜「そうしたら俺も花咲さんもウィンウィンじゃない?」
美郷「でも……」
怜「安心して、花咲さんのことを好きになることないから」
美郷(例えフリだったとしても人気者の桐嶋くんと付き合うだなんて……)
美郷「やっぱり私……!」
怜「決まりね。よろしく、美郷ちゃん」
怜はさっきまでとは違う爽やかな笑顔でそう言った。
美郷(どうしよう。本当に桐嶋くんと付き合うことになっちゃった)
○学生寮・来実の部屋(放課後)
来実の部屋のドアをノックする。
来実「はーい」
来実が部屋から出てくる。
来実「あっ、美郷ちゃん!どうしたのー?」
美郷「来実ちゃーんっ」
美郷は涙目で来実に泣きつく。
来実「まあまあ落ち着いて?」
部屋の中に通されて、ベッドの上に座る。
部屋の中にある小さなキッチンで紅茶をいれてくれて、それをすする。
来実「一体何があったの?また告白されたんだよね?」
来実は美郷が今日も告白に呼び出されたことを知っている。
深刻そうな顔をする美郷。
それを見て、来実は心配そうな顔をする。
美郷「うん……今日の人はちょっとしつこくて、断ってるのになかなか折れてくれない人だったんだけど……」
来実「えぇっ、それは大変だったね、大丈夫?」
美郷「うん。それは大丈夫だったんだけど……桐嶋くんが助けに来てくれて」
来実「えっ!あの桐嶋くんが!?」
美郷「そう。その告白してくれた人とのことは助けてくれたんだけど、その後に告白されて」
来実「告白って誰に?」
美郷「桐嶋くんに」
来実「うっそー!」
美郷「それでなぜか桐嶋くんと付き合うことになっちゃって……」
来実「えーっ!」
来実は全てにいい反応をする。
むしろ美郷の話を聞いて、楽しんでいるようだった。
来実「学校の美男美女が付き合うなんて素敵すぎるっ」
来実は何か勘違いをしている。
美郷「違うの。付き合うっていうかフリっていうか……」
来実「どういうこと?」
美郷「桐嶋くんがこれ以上告白され続けるのは嫌だからって付き合うフリをすることになったの」
来実「付き合うフリなの!?」
来実は全てを理解し、驚いていた。
確認するように問いかけてくる来実に、美郷は大きく頷く。
来実「まぁ、いいんじゃないかな?」
美郷「えっ?」
来実「お互い相手も居ないわけだし、お試しみたいな?」
美郷「お試し……かぁ」
来実「案外コロッと好きになっちゃったりするかもよ?」
美郷「そんなことあるかなぁ」
来実「ふふっ、楽しみだなぁ」
美郷「ちょっと来実ちゃんーっ!」
来実は美郷たちの恋の行方を楽しみにしているようだった。
○学生寮・美郷の部屋(朝)
美郷「ふぁあ……」
大きな欠伸をして、体を起こし、うーんと腕を伸ばして体を伸ばす。
朝起きるのはちょっぴり苦手。
でも、ここには起こしてくれるお母さんもいないし、自分でやらないと。
重い体を起こして身支度を始める。
顔を洗って、化粧水と乳液を塗って、動画で学んだメイクをする。
美郷(うん、ばっちり)
今日も上手くいった。
もう何ヶ月もやっているヘアセットもお手の物。
綺麗な巻き髪ヘアが数分でできあがる。
制服に着替えて全身ミラーで身なりを確認する。
美郷(よしっ!)
美郷「行ってきまーす」
そう誰もいない部屋に声をかけて、部屋を出た。
○学校・教室(朝)
女子生徒1「えっ、それ本当!?」
女子生徒2「本当だよ!だって本人が言ってたんだもん」
学校に着くと、教室の中はいつもに増して騒がしかった。
女子生徒3「ねぇ、美郷ちゃん!」
自分の席に座ると、クラスメイトたちがわらわらと席に集まってきて問いかけられる。
いつもはこんなことがないため、警戒する美郷。
美郷「な、何?」
女子生徒3「美郷ちゃんって桐嶋くんと付き合ってるって聞いたんだけど、本当?」
机に手を置き、グイッと迫ってくる女子生徒3。
美郷「ほ、本当だよ」
美郷(本当はウソだけど……なんて言えない。っていうか、なんで昨日の今日なのにこんなに広まってるの?まさか、桐嶋くん……ならやりかねない)
美郷が認めると、女子生徒たちがわあっと湧いた。
怜「みんなで囲んで何してるの?」
美郷「桐嶋くん……っ」
どこへ行っていたのか、桐嶋くんが美郷たちの元へとやって来た。
女子生徒3「噂について聞いてたの」
怜「そっか。噂通り俺たち付き合ってるから。邪魔しないでね」
グッと体を引き寄せられて、怜と密着する美郷。
それだけで胸がドキドキする。
男の子と体が触れ合うことなんて今まで無かった美郷。
ドキドキが止まらない。
怜「今日、一緒に帰ろうね、美郷」
甘い声で美郷にそう呟く。
その声に周りがザワつく。
美郷(今、私の名前……!)
名前を呼び捨てにされて、胸がドクンと鳴る。
その後、怜が美郷に耳打ちする。
怜「ウソだってバレたら面倒くさいから俺に合わせて」
美郷「うん、わかった」
美郷(こんな調子で私、どうなっちゃうんだろう……)
怜「俺と付き合って」
冗談かと思った。
(まさか桐嶋くんの口からそんな言葉が出てくるなんて)
美郷「えっと、その……」
怜「こういうの面倒くさいじゃん。花咲さんも誰とも付き合う気無さそうだし、付き合ってるフリした方が楽だと思わない?」
美郷「付き合ってる……フリ?」
怜は腕組みをして言う。
美郷はただただ唖然としていた。
美郷(本当に付き合うんじゃなくて、フリをするってこと?)
怜「そうしたら俺も花咲さんもウィンウィンじゃない?」
美郷「でも……」
怜「安心して、花咲さんのことを好きになることないから」
美郷(例えフリだったとしても人気者の桐嶋くんと付き合うだなんて……)
美郷「やっぱり私……!」
怜「決まりね。よろしく、美郷ちゃん」
怜はさっきまでとは違う爽やかな笑顔でそう言った。
美郷(どうしよう。本当に桐嶋くんと付き合うことになっちゃった)
○学生寮・来実の部屋(放課後)
来実の部屋のドアをノックする。
来実「はーい」
来実が部屋から出てくる。
来実「あっ、美郷ちゃん!どうしたのー?」
美郷「来実ちゃーんっ」
美郷は涙目で来実に泣きつく。
来実「まあまあ落ち着いて?」
部屋の中に通されて、ベッドの上に座る。
部屋の中にある小さなキッチンで紅茶をいれてくれて、それをすする。
来実「一体何があったの?また告白されたんだよね?」
来実は美郷が今日も告白に呼び出されたことを知っている。
深刻そうな顔をする美郷。
それを見て、来実は心配そうな顔をする。
美郷「うん……今日の人はちょっとしつこくて、断ってるのになかなか折れてくれない人だったんだけど……」
来実「えぇっ、それは大変だったね、大丈夫?」
美郷「うん。それは大丈夫だったんだけど……桐嶋くんが助けに来てくれて」
来実「えっ!あの桐嶋くんが!?」
美郷「そう。その告白してくれた人とのことは助けてくれたんだけど、その後に告白されて」
来実「告白って誰に?」
美郷「桐嶋くんに」
来実「うっそー!」
美郷「それでなぜか桐嶋くんと付き合うことになっちゃって……」
来実「えーっ!」
来実は全てにいい反応をする。
むしろ美郷の話を聞いて、楽しんでいるようだった。
来実「学校の美男美女が付き合うなんて素敵すぎるっ」
来実は何か勘違いをしている。
美郷「違うの。付き合うっていうかフリっていうか……」
来実「どういうこと?」
美郷「桐嶋くんがこれ以上告白され続けるのは嫌だからって付き合うフリをすることになったの」
来実「付き合うフリなの!?」
来実は全てを理解し、驚いていた。
確認するように問いかけてくる来実に、美郷は大きく頷く。
来実「まぁ、いいんじゃないかな?」
美郷「えっ?」
来実「お互い相手も居ないわけだし、お試しみたいな?」
美郷「お試し……かぁ」
来実「案外コロッと好きになっちゃったりするかもよ?」
美郷「そんなことあるかなぁ」
来実「ふふっ、楽しみだなぁ」
美郷「ちょっと来実ちゃんーっ!」
来実は美郷たちの恋の行方を楽しみにしているようだった。
○学生寮・美郷の部屋(朝)
美郷「ふぁあ……」
大きな欠伸をして、体を起こし、うーんと腕を伸ばして体を伸ばす。
朝起きるのはちょっぴり苦手。
でも、ここには起こしてくれるお母さんもいないし、自分でやらないと。
重い体を起こして身支度を始める。
顔を洗って、化粧水と乳液を塗って、動画で学んだメイクをする。
美郷(うん、ばっちり)
今日も上手くいった。
もう何ヶ月もやっているヘアセットもお手の物。
綺麗な巻き髪ヘアが数分でできあがる。
制服に着替えて全身ミラーで身なりを確認する。
美郷(よしっ!)
美郷「行ってきまーす」
そう誰もいない部屋に声をかけて、部屋を出た。
○学校・教室(朝)
女子生徒1「えっ、それ本当!?」
女子生徒2「本当だよ!だって本人が言ってたんだもん」
学校に着くと、教室の中はいつもに増して騒がしかった。
女子生徒3「ねぇ、美郷ちゃん!」
自分の席に座ると、クラスメイトたちがわらわらと席に集まってきて問いかけられる。
いつもはこんなことがないため、警戒する美郷。
美郷「な、何?」
女子生徒3「美郷ちゃんって桐嶋くんと付き合ってるって聞いたんだけど、本当?」
机に手を置き、グイッと迫ってくる女子生徒3。
美郷「ほ、本当だよ」
美郷(本当はウソだけど……なんて言えない。っていうか、なんで昨日の今日なのにこんなに広まってるの?まさか、桐嶋くん……ならやりかねない)
美郷が認めると、女子生徒たちがわあっと湧いた。
怜「みんなで囲んで何してるの?」
美郷「桐嶋くん……っ」
どこへ行っていたのか、桐嶋くんが美郷たちの元へとやって来た。
女子生徒3「噂について聞いてたの」
怜「そっか。噂通り俺たち付き合ってるから。邪魔しないでね」
グッと体を引き寄せられて、怜と密着する美郷。
それだけで胸がドキドキする。
男の子と体が触れ合うことなんて今まで無かった美郷。
ドキドキが止まらない。
怜「今日、一緒に帰ろうね、美郷」
甘い声で美郷にそう呟く。
その声に周りがザワつく。
美郷(今、私の名前……!)
名前を呼び捨てにされて、胸がドクンと鳴る。
その後、怜が美郷に耳打ちする。
怜「ウソだってバレたら面倒くさいから俺に合わせて」
美郷「うん、わかった」
美郷(こんな調子で私、どうなっちゃうんだろう……)