Filigran.


「…あの、女子会にしては私一人しかいない…けど?」


とおずおず聞けば、


「そろそろお前のこと大好きな金髪の金持ちが迎えに来るから待っとけ」


とほっくんはスマホをちらつかせて言った。




そんなほっくんの言葉に敏感に反応した弓弦君は、


「え、それ男じゃないよね?許さないけど」とほっくんを追及している。


けれども、彼は答えようともせずグイグイ弓弦君を引っ張っている。




「じゃあな~!」と手を振りながら去るほっくんと、


不服そうな表情の弓弦君はどんどん歩いて行ってしまってもう見えなくなった。





「歩くのはやい…」と呟いた瞬間、黒塗りの高級車が私の目の前で停まった。


ウィーンと滑らかにその扉が開く。


「雪乃!美花と豪邸でティーパーティーしよ!」


中から出てきたのは、確かに金髪の金持ちだった。

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