大食いパーティー、ガーデンにて奮闘する
リリアナの目の前には、左右に枝葉を茂らせた大樹と、高く聳える石造りの塔がある。
「よしっ」
リリアナは気合を入れ直し、塔へ向かってゆっくり足を進める。
上空からカラスのような黒羽の鳥が舞い降りてきて、塔の扉の横にある止まり木にとまった。
「レオナルドの塔へようこそ!」
レオナルドの使い魔と思われる鳥は、黒いくちばしを開いてしわがれた声でしゃべりはじめた。
「レオナルド様は塔の最上階でおもてなしの準備をしてお待ちです。本日の日没までにおいでください。どのような方法で登ってもかまいませんが、塔の外側は我々が飛んでおりますので、中から進むことをおすすめします」
リリアナが見上げると、他にも黒羽の鳥たちが塔の周りを旋回しているのが見える。
実は事前に、塔の外側を飛んでいけば試練など関係なく最上階まで行けるんじゃないかとハリスに相談したことがある。
リリアナはまだ飛行魔法を自在に操ることはできないが、重力軽減魔法と上昇気流を起こす風魔法を駆使すれば実現可能だと思っている。
しかし試練の塔経験者のハリスは首を横に振った。塔の外側にはレオナルドの使い魔たちがいて、外壁から行こうとすると邪魔をしてくるだろうから得策ではない、と。
たしかにその通りのようだ。
しかし作戦はそれだけではない。
この挑戦で成功するために、とっておきの秘策も用意している。
「では、お気をつけて! いってらっしゃいませ」
「いってきます」
使い魔に告げて扉の取っ手を引いた。
ギイッと音を立てて開いた扉の向こうに螺旋階段が見える。
どうやらネリスの挑戦の時のように、イバラがぎっしり生えていて中に入ることすらできないわけではないらしい。
頭の中に足を踏み入れると、背後で扉がバタンと閉まった。ここからはギブアップ宣言をするまで、あるいは日没までは塔の外に出られない。
リリアナは螺旋階段を見上げた。
塔の壁に沿うように上へと続き、中央は吹き抜けになっている。所々に魔物が待ち構えているもの見えるが、全ての魔物とまともに戦う気はさらさらない。
この構造だと、外側でやろうとしていた作戦がそのまま使える。
リリアナは自分に重力軽減魔法をかけると、足元に風魔法で上昇気流を起こす。
ブーツのつま先でタンッと石の床を蹴り、高く飛び上がった。
「よしっ」
リリアナは気合を入れ直し、塔へ向かってゆっくり足を進める。
上空からカラスのような黒羽の鳥が舞い降りてきて、塔の扉の横にある止まり木にとまった。
「レオナルドの塔へようこそ!」
レオナルドの使い魔と思われる鳥は、黒いくちばしを開いてしわがれた声でしゃべりはじめた。
「レオナルド様は塔の最上階でおもてなしの準備をしてお待ちです。本日の日没までにおいでください。どのような方法で登ってもかまいませんが、塔の外側は我々が飛んでおりますので、中から進むことをおすすめします」
リリアナが見上げると、他にも黒羽の鳥たちが塔の周りを旋回しているのが見える。
実は事前に、塔の外側を飛んでいけば試練など関係なく最上階まで行けるんじゃないかとハリスに相談したことがある。
リリアナはまだ飛行魔法を自在に操ることはできないが、重力軽減魔法と上昇気流を起こす風魔法を駆使すれば実現可能だと思っている。
しかし試練の塔経験者のハリスは首を横に振った。塔の外側にはレオナルドの使い魔たちがいて、外壁から行こうとすると邪魔をしてくるだろうから得策ではない、と。
たしかにその通りのようだ。
しかし作戦はそれだけではない。
この挑戦で成功するために、とっておきの秘策も用意している。
「では、お気をつけて! いってらっしゃいませ」
「いってきます」
使い魔に告げて扉の取っ手を引いた。
ギイッと音を立てて開いた扉の向こうに螺旋階段が見える。
どうやらネリスの挑戦の時のように、イバラがぎっしり生えていて中に入ることすらできないわけではないらしい。
頭の中に足を踏み入れると、背後で扉がバタンと閉まった。ここからはギブアップ宣言をするまで、あるいは日没までは塔の外に出られない。
リリアナは螺旋階段を見上げた。
塔の壁に沿うように上へと続き、中央は吹き抜けになっている。所々に魔物が待ち構えているもの見えるが、全ての魔物とまともに戦う気はさらさらない。
この構造だと、外側でやろうとしていた作戦がそのまま使える。
リリアナは自分に重力軽減魔法をかけると、足元に風魔法で上昇気流を起こす。
ブーツのつま先でタンッと石の床を蹴り、高く飛び上がった。