大食いパーティー、ガーデンにて奮闘する
大鍋いっぱいにブルースライムの中身が集まったところで、リリアナは魔法を使って味付けしてみることにした。
ボウルを4つ取り出して並べ、そこへ中身をすくって入れていく。
手をかざしてそれぞれ異なる味を想像しながら魔法をかけた。
出来上がったのは、ミルク味、チョコレート味、オレンジ味、いちご味のスライムだった。
「やだ、美味しいぃぃっ!」
リリアナはスプーンですくって一口ずつ食べるたびに感動で震えている。
味が付くだけでドロドロ食感がムースのようにもふるふるゼリーのようにも思えてくる。
鼻をひくひくさせて興味津々な様子で近づいてきたコハクにミルク味を食べさせてみたが、イマイチだったようだ。味がどうこうよりも口の周りの毛がベタベタしてしまうのが気になるようで、前足で口や鼻をこすっている。
するとハリスが凍らせてみてはどうかと提案してくれた。
これが大当たりで、リリアナが加減を上手く調整した魔法で凍らせたミルクシャーベットならコハクも美味しそうにシャリシャリと食べ始めたではないか。
リリアナにはそもそも凍らせてみようという発想すらなかった。
初心者だった頃にそれに気づいていれば、小分けにして凍らせた状態でマジックボーチに入れておき、それをつまんで食べながらブルースライムをやっつけていくというさらなる効率化が図れたかもしれない。
さらにハリスはリキュールを取り出すとオレンジ味に大量にかけて混ぜ、それを氷魔法で少しひんやりさせたチョコレート味に乗せてふたつの味を一緒にスプーンですくって一口食べた。
無言でうんうんと頷きながら一皿食べ終えると
「これはいけるな」
と呟いている。
ハリス先生ったら大人だわ!
そう思っているリリアナの目の前に、いちご味を山盛りにした取り皿がぬっと差し出された。
「これ、凍らせてくれ」
お子様ねぇと思いながらリリアナがそれを凍らせると、テオはそこにミルク味をトロリとかけた。
「うわ、うまっ!」
テオがものすごい勢いで食べている。
いちごミルク……そんなの絶対に美味しいやつだ。
「ちょっと! 脳筋のくせになんでそんなの思いつくのよ!」
ハリスはともかくテオの応用力に内心舌を巻くと同時に、なんだか無性に腹が立ってきたリリアナだった。
「残り全部わたしが食べるから!」
「急になに怒ってんだよ、わけわかんねえよ」
「フンっ!」
ボウルを抱えて食べ始めるリリアナと、どういうことかわからずに首をかしげて戸惑うテオを、ハリスはいつものように苦笑しながら見ていたのだった。
こうして自在にスライムに味を付けられるようになったことが、この後思わぬ役に立つとは、この時は誰も想像もしていなかった。
(4皿目・完食)
ボウルを4つ取り出して並べ、そこへ中身をすくって入れていく。
手をかざしてそれぞれ異なる味を想像しながら魔法をかけた。
出来上がったのは、ミルク味、チョコレート味、オレンジ味、いちご味のスライムだった。
「やだ、美味しいぃぃっ!」
リリアナはスプーンですくって一口ずつ食べるたびに感動で震えている。
味が付くだけでドロドロ食感がムースのようにもふるふるゼリーのようにも思えてくる。
鼻をひくひくさせて興味津々な様子で近づいてきたコハクにミルク味を食べさせてみたが、イマイチだったようだ。味がどうこうよりも口の周りの毛がベタベタしてしまうのが気になるようで、前足で口や鼻をこすっている。
するとハリスが凍らせてみてはどうかと提案してくれた。
これが大当たりで、リリアナが加減を上手く調整した魔法で凍らせたミルクシャーベットならコハクも美味しそうにシャリシャリと食べ始めたではないか。
リリアナにはそもそも凍らせてみようという発想すらなかった。
初心者だった頃にそれに気づいていれば、小分けにして凍らせた状態でマジックボーチに入れておき、それをつまんで食べながらブルースライムをやっつけていくというさらなる効率化が図れたかもしれない。
さらにハリスはリキュールを取り出すとオレンジ味に大量にかけて混ぜ、それを氷魔法で少しひんやりさせたチョコレート味に乗せてふたつの味を一緒にスプーンですくって一口食べた。
無言でうんうんと頷きながら一皿食べ終えると
「これはいけるな」
と呟いている。
ハリス先生ったら大人だわ!
そう思っているリリアナの目の前に、いちご味を山盛りにした取り皿がぬっと差し出された。
「これ、凍らせてくれ」
お子様ねぇと思いながらリリアナがそれを凍らせると、テオはそこにミルク味をトロリとかけた。
「うわ、うまっ!」
テオがものすごい勢いで食べている。
いちごミルク……そんなの絶対に美味しいやつだ。
「ちょっと! 脳筋のくせになんでそんなの思いつくのよ!」
ハリスはともかくテオの応用力に内心舌を巻くと同時に、なんだか無性に腹が立ってきたリリアナだった。
「残り全部わたしが食べるから!」
「急になに怒ってんだよ、わけわかんねえよ」
「フンっ!」
ボウルを抱えて食べ始めるリリアナと、どういうことかわからずに首をかしげて戸惑うテオを、ハリスはいつものように苦笑しながら見ていたのだった。
こうして自在にスライムに味を付けられるようになったことが、この後思わぬ役に立つとは、この時は誰も想像もしていなかった。
(4皿目・完食)