大食いパーティー、ガーデンにて奮闘する
一週間後、ネリスがマリールを連れてやって来た。
「さあ、釣って釣って釣りまくって、食べるわよー!」
張りあげた声とともに、リリアナの白い息が煙のように舞った。
目の前にはガチガチに凍りつく湖が見える。
「わあっ!」
嬉しそうな声の主は、ネリスの婚約者マリールだ。
ふわふわの栗色の髪にカチューシャのような耳当てをつけ、大きなサファイアの目を大きく開いてこの光景を楽しんでいる。
隣に立つネリスが頬を赤らめているのは寒さのせいではなく、マリールが可愛らしいせいだろう。
「ネリス様! お誘いありがとうございます!」
マリールがネリスに笑顔を向ける。
「ああ……うん」
ネリスの返事はそっけなく、マリールがシュンとしてしまった。
そういうところよっ!
リリアナは、心の中でシャイなネリスにツッコミを入れる。
大衆食堂ではあんなに滑らかにしゃべっていたくせに、大好きな婚約者を前にすると上手く話せなくなるらしい。
マリールのほうは、ネリスにこんな態度ばかりとられて勘違いしているのだろう。彼は政略的な婚約を渋々受け入れただけだと。
将来が不安だと言われてしまうのも無理はない。
「任せてちょうだい。一緒に釣りをしてラブラブ度アップよ!」
「ちげーし。俺とあいつの釣り対決だろ」
まだそんなことを言っているのかとリリアナが呆れた顔をしても、テオはお構いなしに釣り道具一式を持って凍った湖面に向かって駆けていった。
「さあ、釣って釣って釣りまくって、食べるわよー!」
張りあげた声とともに、リリアナの白い息が煙のように舞った。
目の前にはガチガチに凍りつく湖が見える。
「わあっ!」
嬉しそうな声の主は、ネリスの婚約者マリールだ。
ふわふわの栗色の髪にカチューシャのような耳当てをつけ、大きなサファイアの目を大きく開いてこの光景を楽しんでいる。
隣に立つネリスが頬を赤らめているのは寒さのせいではなく、マリールが可愛らしいせいだろう。
「ネリス様! お誘いありがとうございます!」
マリールがネリスに笑顔を向ける。
「ああ……うん」
ネリスの返事はそっけなく、マリールがシュンとしてしまった。
そういうところよっ!
リリアナは、心の中でシャイなネリスにツッコミを入れる。
大衆食堂ではあんなに滑らかにしゃべっていたくせに、大好きな婚約者を前にすると上手く話せなくなるらしい。
マリールのほうは、ネリスにこんな態度ばかりとられて勘違いしているのだろう。彼は政略的な婚約を渋々受け入れただけだと。
将来が不安だと言われてしまうのも無理はない。
「任せてちょうだい。一緒に釣りをしてラブラブ度アップよ!」
「ちげーし。俺とあいつの釣り対決だろ」
まだそんなことを言っているのかとリリアナが呆れた顔をしても、テオはお構いなしに釣り道具一式を持って凍った湖面に向かって駆けていった。