隠れ雨

転んだ梅雨


 隠れ雨
  転んだ梅雨


ひとりぼっちは寂しい。
テレビをつけっ放し、消す気力もない。


なにか心揺らされる事はないのか。


消したり付けたり、消したり付けたり。

その繰り返し。

外は明るくなってきていて。
私の心はただただ暗くなっていくばかりで。


なにか心揺らされる事はないのか。


音楽付けて、携帯開いて。
突発的に友達でもない人にメールを送りつける。

昨日はどうしてた?

今日はどう?

そんなの知らないよって返事が来そう。
あぁ。

誰か私を楽しませてはくれないか。
ずっと部屋に閉じこもって、角に座って。

日々思い詰めるのは家族達。

鮮明に目に映るその姿。


なにか心揺らされる事はないのか。


探して探して探しまわって。
辿り着いたわ君の元。

足は痛くてやる気も出なくて、ふと見ると君が居て。

急に踊らされて、心地よくなって。

相変わらず君は変わっていないね。


なにか心揺らさせる事はないのか。


嗚呼、なんだ。

君が居た。

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