優しく、ぎゅっと抱きしめて
真ん中ならまだいいけど、悪い時は中の下なんてこともざらにあるのだ。
しかも、得意教科と苦手な教科との差が大きいからいつも赤点ギリギリだったりする。
特に数学は本当にムリ。
今回は苦手な分野がまるまる出てるからなおさら。
「……なら、一緒に勉強するか?」
絶望していた私は、知賀くんの言葉に思い切り首を振った。
もちろん縦に。
「いいの…!?」
「月森がよければ」
好きな人からのお誘いを断るなんて人、滅多にいないと思う。
「う、嬉しい…!ありがとう知賀くん!この恩は必ず返すから…!」
「いや、大袈裟」
大袈裟なんかじゃないんだよ、知賀くん。
もしかしたら2人きりかも…なんて、邪なことを考えてる私もいるんだよ。