優しく、ぎゅっと抱きしめて
辻くんと知賀くん
「ここがこうなって…そう、そういうこと」
「なるほど…やっと理解できた…!知賀くん教えるの上手すぎる…!」
「だから大袈裟だって」
「…………ねぇ、俺の存在忘れてる?」
待ちに待った…と言うほど時間は経っていないけど。
今日は知賀くんのお家にお邪魔しています。
電車で一駅したところから徒歩10分程度のオシャレな住宅街に、知賀くんの家はあった。
初めてのお家訪問にドキドキしていたけど、辻くんも一緒だからそこまで緊張せずにすんだと思う。
そう考えたら、辻くんもいてくれた方が良かったのかもしれない。
辻くんに心の中で謝り、肘をついている目の前の辻くんにも「ごめんね」と謝る。
「たしかに私ばっかり教わってるかも…」
「うん、まぁ…それはいいんだよ。いや、それが原因なのか…?」