優しく、ぎゅっと抱きしめて
私と知賀くん、そして辻くんが話すようになってからは未來も加わるようになって。
実はこの4人での交流ができ始めていた。
辻くんは未來に怒られてうーんと考え込み、パッと顔を上げて手を叩いた。
「…あ〜なるほど!たしかに俺空気読んでなかったかも。ごめんな、知賀」
「なんで俺に謝る?」
「あと月森ちゃんにも!俺は未來ちゃんと遊ぶから、2人でどっか行ってきな!」
「え…!?」
空気を読むって…そういうこと!?
未來と辻くんは、どうしても私たちにデートをしろと言うのか。
そりゃ、したいのは山々だけども…。
今日まで散々勉強に付き合ってくれた知賀くんを、最終日まで振り回すのは少し気が引けてしまう。
もじもじしていると、知賀くんからの視線を感じて固まる。