優しく、ぎゅっと抱きしめて
やって来たのは、たくさんの梅の気に囲まれた公園。
あのショッピングモールの近くにあって、すぐに着いた。
「…本当に勝手でごめん。でも、どうしても月森に見せたくて…」
「うん、ありがとう。素敵な所に連れてきてくれて…って、うん?」
私に見せたくて…って。
それは…調べてくれてた、ってこと?
それで私に見せようと思った…とか。
またもや都合のいいように受け取ってしまう私は、いやいやいや!とかき消す。
どれだけ勘違い野郎なの私。
たまたま知ってただけだよ、きっと。
………でも、ちょっとだけ。
「それは…知賀くんがただ単に知ってただけ?それとも……」
ちょっとだけ、期待したい。
どんな返事が帰ってくるかな…とソワソワして知賀くんの方をチラリと盗み見た。