先輩のアプローチがすごい。
そういえば学校で言ってたような気がする。
しつこすぎてフル無視してたんだった。
「無理です。見ての通り今から晩御飯の準備するので」
先輩と会話をしながらも、私はエプロンをつけ始めていた。
時刻は夕方17時。
我が家の夜ご飯の準備を始める時間。
「それなら大丈夫だよ。僕たちみんな夏祭り行くから」
そう言って、2階の自室から出てきたのは緒太。
魁斗とは双子で、緒太の方が5分だけ年上。
「そうなの?あの三つ子たちも?」
「うん」
「早く言ってよ……」
「ちゃんとグループにメッセージ来てたよ」
これは完全に私のミスだ。
もう先輩の誘いを断る文句がない。