先輩のアプローチがすごい。
時刻は11時30分、家を出る時間。
朝ごはん兼お昼ご飯を食べ、寝癖だけ治して髪も結ばず着替えやすい服代表のワンピースを着た私は憂鬱な気分で玄関に向かう。
「あれ、もしかして愛ちゃんも…?」
そう言ったのは同じタイミングで玄関に来た先輩。
「てことは先輩もってことですよね。ですよね……」
「浮かない顔だね」
「いやなんだもん……」
拒否権がないミスコン。地獄である。
「そんな可愛い言い方しても絶対参加だからね。愛ちゃん何位だろうなぁ」
何故か嬉しそうに楽しみな様子でニコニコしている先輩。
いつものニヤニヤとは違ってニコニコ、あたたかい笑顔。なんか変です。
「何位でも変わんないです……前に出ることは変わらないじゃないですか」