先輩のアプローチがすごい。
「あ、知ってた?うちの学校のミスコンって両思いの2人が両方1位をとったら何があっても恋愛の縁が切れないんだよ」
家を出て、学校に向かっている途中。
先輩がそんなことを話してくれた。
「私がそういうの信じると思いますか」
「たしかに。愛ちゃんはそういう素直じゃない子だった」
余計な一言……。
でも、実はちょっと気になってきていたり、しなくもなかったり…?
「先輩、1年生の時はこの高校通ってたんですよね」
「うん?そうだよ」
「何位だったんですか?」
「なんで選ばれてる前提…?まぁ、2位だったけど」
「先輩、かっこいいですもんね。でも1位じゃないんだ……あ。い、今のは違くて」
先輩が顔を赤くして足を止めた。
「なんか今日の愛ちゃん。朝から攻撃力高くない…?」
あ、朝から?
「うるさいです。ゆっくり寝たから気分がいいんです」