先輩のアプローチがすごい。




「じゃあ、行けるね。夏祭り」



勝ち誇った顔で満面の笑みを見せてくる皐先輩。


少しだけイラっときたけれど、イケメンだからかそんな気持ちもすぐに緩和されてしまった。




「はぁ……。準備するのでちょっと待っててください」




流石に休日の家事ファッションで夏祭りなんかにはいかない。

いくら先輩と行く夏祭りだからと言ってTPOはしっかりわきまえないと。




「でも姉ちゃんさ、私服めっちゃダサいじゃん。大丈夫なの?」




私が階段を登っている途中でそう投げかけてきたのは魁斗だった。


私は思わず足を止めてその場で固まってしまった。




「今なら和泉(いずみ)姉と恵菜(えな)ちゃんが家にいるんじゃないかな?」


と、緒太。
< 11 / 114 >

この作品をシェア

pagetop