先輩のアプローチがすごい。
「じゃあ、行けるね。夏祭り」
勝ち誇った顔で満面の笑みを見せてくる皐先輩。
少しだけイラっときたけれど、イケメンだからかそんな気持ちもすぐに緩和されてしまった。
「はぁ……。準備するのでちょっと待っててください」
流石に休日の家事ファッションで夏祭りなんかにはいかない。
いくら先輩と行く夏祭りだからと言ってTPOはしっかりわきまえないと。
「でも姉ちゃんさ、私服めっちゃダサいじゃん。大丈夫なの?」
私が階段を登っている途中でそう投げかけてきたのは魁斗だった。
私は思わず足を止めてその場で固まってしまった。
「今なら和泉姉と恵菜ちゃんが家にいるんじゃないかな?」
と、緒太。