先輩のアプローチがすごい。




「これより3年紅月クラス主催特別講演会を開催する」



そうして始まった講演会。

これは先輩と出会った日の話。



紅月主催の講演会と聞いてきたのに雰囲気はパーティー。
私はすぐにその場を離れようとしていた。


すると、ブロンドに染められていた髪の毛のイケメンが私の目の前に現れた。



「愛ちゃん?だよね」

「は、はい?」



その人がいきなり私の名前を呼ぶ。

しかも小さい時のあだ名……。


でも、愛莉って名前をあだ名にするなんて愛ちゃんが普通だよね。

……あれ?なんで私の名前を?



「久しぶりだね」

久しぶり…?


私はこの人を知らない。

髪の毛が染められているから思い出せないだけ?



「もしかして覚えてない?」

「はい」

「そっか……」



なんか申し訳ない気持ちになってきた……ような気がしなくもないような。



「でもまあ、思い出して貰えばいいだけだよね?」

「へ?」



ニヤニヤが収まりきっていない、その人。
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