先輩のアプローチがすごい。
セイランサイ
ジッコウイインチョウ
先輩が私の家で暮らし始めてから少しだけ経って、今日から9月。
新学期が始まった。
「愛莉、美琴先輩と夏休みなんかした?」
「し、してない」
1ヶ月ちょっとぶりにあってひとこと目にそう聞いてきたのは、私の幼稚舎時代からの友人である桜田 弥生。
そして、家が近くにあるからこうして毎日一緒に学校に通っている。
「それ、絶対なんかあったやつでしょ。ま、言わなくてもいいけどさ、避妊だけはしなね」
彼女はちょっと変。
だけど、余裕のある大人の女の人って感じだ。
まだ高校生だけどね。
「それって無視でいい?」
「もう、ほんと愛莉ってば冷たいんだから」
冷たくしてる覚えはないんだけど。
なんかごめんなさい。
思ってないけど。