先輩のアプローチがすごい。




「で?夏休みに親友を家に招待してくれなかった理由は何?」





それは、先輩がいたから。なんて言えない。




「うるさい、金持ち。夏休みの半分を外国で過ごしてたのは誰だか」


「でも後半はずっとこっちにいたし。知ってたでしょ、それも」




知っていた。知っていたけど。

一応親友……だし。



それよりどう言いのがれをしよう。

嘘は苦手。

先輩に夏祭りの日がお母さんの誕生日って言ったことも、嘘だってきっとバレてた。



家族と、弥生と先輩には、私の気持ちを表情で読み取られてしまう。

これは最近気づいたこと。


よし、諦めて白状しよう。





「実は……」





私は、弥生に夏祭りのことからすべてを白状した。
< 47 / 114 >

この作品をシェア

pagetop