先輩のアプローチがすごい。
「で?夏休みに親友を家に招待してくれなかった理由は何?」
それは、先輩がいたから。なんて言えない。
「うるさい、金持ち。夏休みの半分を外国で過ごしてたのは誰だか」
「でも後半はずっとこっちにいたし。知ってたでしょ、それも」
知っていた。知っていたけど。
一応親友……だし。
それよりどう言いのがれをしよう。
嘘は苦手。
先輩に夏祭りの日がお母さんの誕生日って言ったことも、嘘だってきっとバレてた。
家族と、弥生と先輩には、私の気持ちを表情で読み取られてしまう。
これは最近気づいたこと。
よし、諦めて白状しよう。
「実は……」
私は、弥生に夏祭りのことからすべてを白状した。