先輩のアプローチがすごい。
「あ、いたいた」
先生に呼び出されていた先輩が職員室から帰ってきた。
「先生なんのようだったんですか?」
「普通に進路の相談だよ」
そう聞くとやっぱり先輩は先輩なんだなと感じる。
ちょっとだけ寂しいだなんて思ってしまったり。
「それはまあいいとして。愛ちゃん、学祭関係終わったら俺とデートしない?」
「で、デート……ですか?」
先輩があまりにも大きい声でそう言ったからまたまた皆がざわつき始める。
「そう。好きな人と2人っきりで出かけるんだからデートでしょ?それに、もうそろ受験勉強本格的に始めないとだしさ、このタイミングしか無いと思うんだよね」
“好きな人”またまた大きい声でそういうから私の顔がどんどん赤く、熱くなっていく。
「先輩、さっきから声が大きいです!」