先輩のアプローチがすごい。




あんなハプニングは起こってしまったが、無事1日目の午前中を終えた。


当番が休みの弥生と私は、各部や個人団体の有志発表を見て回っていた。



「卯月とキスした後の弥生の顔、すごく面白かった」


「う、うるさいわね!」



あの時の弥生の顔は、トマトみたいに真っ赤で、幼馴染の私も初めて見た顔だった。



「愛莉こそ、皐先輩とはどうなのよ」



管弦楽部の演奏を聞きながら恋バナなんかをするわたしたち。



「実は……キ、キスされたりされてなかったりされてたり」


「何それ、めっちゃ面白いじゃない?」


「全然面白くなんかない……」



だって、あれからずっとモヤモヤがとまらないんだもん……。
< 78 / 114 >

この作品をシェア

pagetop