先輩のアプローチがすごい。
あんなハプニングは起こってしまったが、無事1日目の午前中を終えた。
当番が休みの弥生と私は、各部や個人団体の有志発表を見て回っていた。
「卯月とキスした後の弥生の顔、すごく面白かった」
「う、うるさいわね!」
あの時の弥生の顔は、トマトみたいに真っ赤で、幼馴染の私も初めて見た顔だった。
「愛莉こそ、皐先輩とはどうなのよ」
管弦楽部の演奏を聞きながら恋バナなんかをするわたしたち。
「実は……キ、キスされたりされてなかったりされてたり」
「何それ、めっちゃ面白いじゃない?」
「全然面白くなんかない……」
だって、あれからずっとモヤモヤがとまらないんだもん……。