先輩のアプローチがすごい。




「まあ、でもいいんじゃないの?」


「何もよくない」


「だって、あんた皐先輩のこともう好きでしょ?」



………………え?



「す、好きなんかじゃない…!」


「何年一緒にいると思ってるのよ」


「そんなわけない」


「なんでよ?」



好きってもっとドキドキするものなんじゃないの?
楽しいものなんじゃないのかな?



「先輩のこと考えるとドキドキじゃなくてモヤモヤするの」


「え、キモいってこと?」



ストレートにそんなことを言ってしまった弥生。



「誰がキモいって?」



そう言いながら後ろに現れたのは先輩と先輩と同じ3年紅月クラスで会計の一条 凪(いちじょう なぎさ)先輩だった。



「なんか愛莉が先輩のことかん」
「ち、違いますから!なんでもないですから!」



絶対に先輩に聞かれまいと私は弥生の口を塞いだ。



「愛ちゃんが俺のことを何…?」


「な、なんでもないですから!」



私がそういうと珍しく先輩はあっさりその場を去っていった。
< 79 / 114 >

この作品をシェア

pagetop