先輩のアプローチがすごい。
「まあ、でもいいんじゃないの?」
「何もよくない」
「だって、あんた皐先輩のこともう好きでしょ?」
………………え?
「す、好きなんかじゃない…!」
「何年一緒にいると思ってるのよ」
「そんなわけない」
「なんでよ?」
好きってもっとドキドキするものなんじゃないの?
楽しいものなんじゃないのかな?
「先輩のこと考えるとドキドキじゃなくてモヤモヤするの」
「え、キモいってこと?」
ストレートにそんなことを言ってしまった弥生。
「誰がキモいって?」
そう言いながら後ろに現れたのは先輩と先輩と同じ3年紅月クラスで会計の一条 凪先輩だった。
「なんか愛莉が先輩のことかん」
「ち、違いますから!なんでもないですから!」
絶対に先輩に聞かれまいと私は弥生の口を塞いだ。
「愛ちゃんが俺のことを何…?」
「な、なんでもないですから!」
私がそういうと珍しく先輩はあっさりその場を去っていった。